最近、植物や花が特定の波長をもった音や旋律を流しながら育てると発育や生長の度合いが著しい、また、乳牛にも聞かせると牛乳の生産が大量に増えるというニュースを耳にします。
ある種の音楽にはそうした生命力を高める力があると認められました。約50年前、アメリカ、イギリスなどの先進国では音楽療法がオフィシャルに認められ、病院や施設で活躍する音楽療法士が各大学で養成されています。1985年、日本でも音楽療法研究会が設立されました。
経済、文化が発展するにつれ、便利さ、豊かさを手に入れた人類は一方ではそのテンポの早さや不自然さに不協和音を感じて悲鳴を上げている人も多いようです。開発された自然環境の中ではいたずらに神経をすり減らし、身体の不調感を覚えるようです。
あわただしい現代社会を駆け抜けるように働き、生活している方々にいかに自然を取り戻し、人間が本来もっている生命力をいかに維持するか、真剣に考えなければならない問題です。
気功音楽療法は、中国伝統思想「陰陽五行論」と「中国医学」の理論に基づいています。中国古典医学著作『黄帝内経』〈霊枢・邪客〉「天に五音あり、人には五臓がある。天に六律あり、人には六腑がある.....。」とあります。 天地人合一の相応性を説明し、自然界の音律が人間の内臓及び精神と密接な関係を持っているといっています。歴代の多くの医家は音楽にも精通で、張景岳〈類経附翼・律原〉に「楽とは天地の合気で、律呂とは楽の声音です。」とあります。音楽の効用について、彼は「音楽が天地、神明につながり、一種単一の音調も人の神情に影響を与える」といっています。 張子和〈儒門事親〉に「良い薬は笙と笛(中国伝統楽器)」とあります。笛と鼓の合奏で人の悩み、心の病気を癒すことができます。
筆者は中国伝統五声音階「角、徴、宮、商、羽」を用いて、五行「木、火、土、金、水」の相生相克関係で人の五情「怒、喜、憂(思)、悲、恐(驚)」を調和して、五臓の「肝、心、脾、肺、腎」の働きを高めるように研究しました。
中国伝統楽器(笙、管、笛、琴、筝、阮、琵琶)を使って、自然界の音響(山林渓谷の音、鳥語虫鳴の声など)を奏で、人々を美しい大自然の中へ導いていきます。
森のたたずまい、小鳥の鳴き声、小川のせせらぎ、風のそよぎなど、心に安らぎを与えてくれる自然の音をもとにして作った音楽ですので、人の緊張をほぐし、心身をリラックス、情緒を安定させ、心と体をリフレッシュさせることができます。自然に胸を大きく開き、呼吸の深長を行い、気功の吐故納新の功効を得ることができます。
気功音楽療法は人の神情に特殊な影響を与えるのは、主にリズム(陽)とメロディ(陰)の作用です。リズムの鮮明な音楽は人心振奮、勇気倍増の効果があり、古曲〈秦王破陣楽〉に「擂動大鼓、声振百里、激励士気、奮勇向前「一鼓作気」皆、音楽の神功(効果)です。」とあります。
また、ゆったりとしたリズムは人々にリラックス感を与え、緊張感をやわらげ、疲労などを流してくれます。旋律は悠揚、雅静、清美の芸術で、人々に感動を与え、焦燥情緒を解消し、安神静心及び鎮静催眠の効果があります。リズムとメロディの変化をうまくつけることによって、以情制情の作用を発揮し、怡神養性や身心健康などの効果を得ることができます。
筆者は1981年から中国音楽療法の研究をはじめ、長期的な臨床実験によって効果を明らかにし、1988年「中国音楽療法」を発表しました。中国音楽療法は人々に安らぎを与えてくれる自然界の音を基に、中国古代より伝わる独特な音調と楽器の響きが、気を調和させ、陰陽のバランスをはかり、心の緊張をほぐすと共に五臓の働きを活性化させることができます。 同年日本コロムビア(株)より、「気功音楽療法」、「漢方音楽療法」、「音楽療法と気功療法」のCD、ミュージックテープ1〜6、ビデオ1〜3をシリーズで発行、日本全国で発売し、好評を受けています。
時には気功音楽の旋律に耳を傾け、自己を開放したのち生きる勇気と力が湧き起こるのを体験してみませんか?
遠くの宇宙から発する何かが音を通してあなたの心と体へ伝わり、宇宙や自然の子であることをあなた自身が確認することができるでしょう。
「 著 作 」
◎日本コロムビアより全国発売
T「気功音楽療法」CD
U「漢方音楽療法」CD
V「中国音楽と中国音楽気功療法」CD
W「疲労・ストレス解消篇」ビデオ
X「老化防止篇」ビデオ
Y「更年期症解消篇」ビデオ
◎アオイスタジオ(株)、エヌ・シー総合企画(株)より発売。
T「子供のための中国気功法」ビデオ、
U「劉錦程の気功音楽」CD